今月のトピックス

 

 

12月

 

南 天

 玄関を出てすぐの右手に南天の木がある。東からの日を浴び伸び伸びと成長してくれたのは良いが、伸びすぎて可愛くもない。そのノッポの南天が11月21日朝のどか雪に圧し掛かられグンニャリ首(こおべ)を垂れていた。ふと見ると普段は有るか無いかもわからない赤い実が、まわりに雪をいただいて可愛く顔を覗かせている。

 雪の白とナンテンの赤、私はこれを見るたび思い出すことがある。昭和60年の秋、岩手町勤労青少年ホームで行った「第10回沼宮内りんどうコール定期演奏会」のことだ。そのラストステージの最終曲が「ウサギの目」という曲であり、その中に「ナンテンの実」が歌い込まれていた。

 「沼宮内りんどうコール」とは岩手町の中心部、主に沼宮内小学校学区に住んでいる婦人を主体に編成された女性合唱団であり、私はその指導をさせていただいていた。

 「ウサギの目」は節目の記念演奏会用にと、私が団長と相談して準備した女性合唱組曲『花の四季』の一曲だ。しかも、この組曲は前任者である作曲家「加藤学先生」の手による新曲であり、そのステージで沼宮内りんどうコールによって初演されたのである。

 ちなみに、『花の四季』は春夏秋冬のシンボルとなる植物(花)をテーマにした四曲(四編)からなっていた。春のテーマは「自然のうた(ヒトリシズカ)」、夏のテーマは「六月の丘(ヒメジョオン)」、秋のテーマは「九月の想い(オミナエシ)」、冬のテーマは「ウサギの目(ナンテン)」というように…。そして、曲の原詩は国民的愛唱歌「夏の思い出」の作詞者として著名な、西根町平舘(現八幡平市)ゆかりの詩人「江間章子」の詩画集「花の四季」から選ばせていただいた。合唱曲に編集するに当たり、東京在住の女史のお許しをいただいたのは当然である。

 「ウサギの目」を覗いて見よう。

 雪の日には お盆の上に 雪でウサギをこしらえましょう

 出来あがったウサギには ナンテンの実を二粒 ウサギに目を入れましょう(以下略)

 女性合唱曲の名手と言われた加藤先生の手による、流れるようにゆったりと哀愁を感じさせる歌い出しだ。中盤は前半とは打って変わってアップテンポ、嬉しそうに飛び跳ねるウサギの様子をそのまま曲面に。終盤は前半のテンポにもどりウサギとナンテンをしっかり主張し終えるのだ。

 顧みれば「沼宮内りんどうコール」はオリジナル曲をたくさん持っている県内でも特異な合唱団だった。それは、団の草創期に音楽家(作曲家)加藤先生との出会いによる恩恵が大きい。すてきな団歌「光こぼれる」を持っているだけでもすごいのに、「石川啄木歌曲集」「下山清による五つの歌」等々、そのまま曲集として出版できるようなものまで所持していた。ただ、残念なことは、これら数々の名曲を残した加藤先生でしたが1998年(平成10年)、音楽界の多くの方々に惜しまれながら若くして亡くなられたことだ。

 玄関脇にニョッキリとオバケのように立ち尽くす南天の木。可愛い実によって幸いにも万年オバケから解放されている。この木が雪をいただくと「りんどうコール」のこと、音楽の石川啄木と称された「加藤学先生」のことが、走馬灯のように浮かんでくる。

 2008.12.18 ヒトリシズカ

 

 ついこの間2008年が始まった気がしますが、もう一年が過ぎようとしています。不景気な時代ですが、来年こそは少しでも良い年になることを願っております。来年もご愛顧のほどよろしくお願い致します。

IT工房所員一同

  

IT工房 来訪者一覧敬称略

(08'11/26〜12/25日現在)

/日(曜日

    

     属
12/4日(木) もろとみ ゆたか 岩手県立青山養護学校
  瀧ノ上 鐵雄 夢IT工房OB
9日(火) 川畑 昌子・駿河 幸江 CILもりおか
  支部長 佐々木 直人 岩手県きょうさいれん
16日(火) 進路指導主事 安藤 孝則 岩手県立青山養護学校